今回は大阪府大阪市都島区で認知症対応型デイサービスを展開している、たのしい家都島(株式会社ケア21)の京野さんと福田さんにインタビューさせて頂きました。
開設間もないタイミングでのインタビューでしたが、すでにコンセプトが明確になった取り組みがされいる姿をご紹介します。
わずか1ヶ月半で明確になっている施設のコンセプト
まず初めに、現在の役職やお仕事内容を教えて頂けますか?
京野さん(以下敬称略):2010年に新卒採用で入職して、今年で14年目に入ります。初めは福岡でその後いろいろな施設を転々としまして、今はその認知症対応型のデイサービスの生活相談員と、副センター長(デイサービスの副施設長)を挑戦させて頂いています。
では、この施設の特徴や、自信のあるところを教えて頂けますか?
京野さん:ここはね福田さんのお話にもありましたが(福田さんのお話はコチラ)、「笑い、笑かす」というところで、「笑いと癒しの空間の共有」っていうのが一つ特徴になってます。
フロアが結構大きく、利用者さんみんなで座れるスペースとかもあるんですけど、それだけじゃなくて、和室があったり、整容室があったりしてるので、全体の時間だけじゃなくて個人の時間も大事にするデイサービスにしたいなっていうところを目指してやってます。
部屋の使い方も自由度があるんですね!
京野さん:そうですね、本当にケア21のデイサービスって施設によって色が違うんですよ。もう行くとこ、行くとこ、全然色が違うんです(笑)
私趣味でピアノとかもやってるんですけど、歌が好きな利用者さんが多かったら、実際にキーボードがあったりとか、ギターが趣味の人とかと一緒に音楽会みたいなのを延々とやり続ける事業所もあれば、おしゃべり一本でってところもあります(笑)
おしゃべり一本は関西ならではって感じもしますね(笑)
京野さん:そうですね。私も福田さん(総合施設長)とお会いして、まだ1ヶ月半とかなんですけど、やっと今この形になったというところなので、まだまだ自由度伸びていくんだなと思っています。
ちなみにこれは利用者さんからするとどんな良い点があるなと感じていますか?
京野さん:利用者さんの雰囲気とかに合わせて色を出しているので、やっぱり利用者さんにとってのメリットは自分に合ったところに出会えるっていう可能性が高いところだと思います。
京野さんと福田さんが出会って1ヶ月半でここまで話が進んでいるということは、ケア21ではコンセプトのようなものを決めるのは当たり前に行われているんですか?
福田さん:そうですね施設運営のコンセプトみたいなのを決めてっていうのはあるんですよ。だから(スタッフからも)決めてって言われるんで。
ただ、根本は利用者さんのためにっていうところはもちろんありますけれども、その利用者さんが喜んでいただけるのであれば、変な話何やってもいいよっていう形ですね。
コンセプトはスタッフ全員の意見とともに
コンセプトの実現に向けてスタッフの方にも一緒に作っていく自由度みたいなのがあるんでしょうか?
京野さん:ありますねー。この施設で言えば、オープン前にマネージャーも含めて全員が一堂に会するっていう時間が最初にあったんですけど、その中でその福田さんからコンセプトに関して、「こういう方針でいきたい」というのがあって、そのためにどうしていこうかってみんなで議論する時間があったんですよ。
この大きなコンセプトに向かっていくために、皆さん個人はどう考えてますかって1人1人の意見を聞いてくださいましたね。
コンセプトもある中で、何か例として取り組んでいるものや、京野さんが今後取り組んでいきたいことはありますか?
京野さん:そうですね、やっぱりオープンしたばっかりで、今は毎日のようにポスティング行ったりとか、こちらから足を運ぶことが多かったんですけど、なかなかまだちょっと成功に結び付いてないっていうのがあるんです。
そこで、今日もちょっと作戦会議したんですけど、月に1回ぐらい、逆にこの施設に足を運んで頂くためのイベントをやろうと思っています。
「介護」ではないんですが、例えば「新聞紙を使ってペーパーバック作ってみませんかー?」とか、「おやつ一緒に作ってみませんかー?」とか、ここの施設を知ってもらうための取っ掛かりになるような開放イベントを月に1回やろうじゃないかっていうところで、今話しが動いています。
それは利用者さんに向けたイベントなんですか??
京野さん:利用者さんとかではなくても、ご家族様であってもいいですし、地域の方でもいいんです。「こういう人が困ってるで」っていうお話がそこで出たら私達も足を運べますし、近くのケアマネージャーさんにこういうことします「足を運んでください」っていうところから、「そういえばこういう人いるんです」っていう風にお話が始まればいいかなって思ってます。
※実際に作成したペーパーバッグ
気軽にフラッと寄れる施設にしたい
こういった、地域にも向けたイベント開催っていう発想が面白いですね!
福田さん:そうですね。まず、うちのような施設自体が地域における社会資源の一つやっていうのを認知してもらわないといけないって思っていて、そのための活動でもあります。
地域の方がここに遊びに来てくれるっていうか、なんかそういうイベントをしたいねっていうのがありますね。
京野さん:たぶんね、皆さん、介護ってなるとすごくハードル高いと思うんですよ。介護施設って入りにくいなってイメージがあると思うんですけど、「そのイメージをまずなくそうじゃないか」って思ってます。
ここに来たら「いま、うちのおばあちゃんこうやねん」みたいに、気軽に相談できる。そんな身近なイメージになったら、もっと相談案件も増えたりとか、頼られる施設になるんじゃないかなって私は考えてます。
たしかに、地域の人からすると、介護施設に気軽に行こうっていうイメージはあまりないかもしれないですね。
福田さん:施設自体はまだ新しいですが、介護施設は外から見ても中の様子が全くわからんと思います。
でも実際は施設には住んでたり、利用してる人がいるわけですけど、そういう人たちも外との関わりがなければ、「ここで生活してるだけ」ってなってしまうので、そういう意味で外部との交流の機会っていうのはうちに限らずどこの介護施設もそうだと思うんですけど、そこは一つやりたいというか、やらなければいけないと思っています。
福田さん:そういうところを積極的にいろいろやってるところももちろんありますけれども、なかなかうまくいってないところもあると思うんです。
うちはまだちょっとそういうところで、まだまだ発展途上かなと思ってるところがあって今模索をしているようなところなんですよ。
でも、そういうのをやろうとしようとすると、やっぱり人手はすごいたくさん欲しいので、ぜひ多くの方に来ていただきたいです!
インタビュー概要
インタビュー日:2024年2月
インタビュー先:たのしい家都島(グループホーム/デイサービス)
大阪府大阪市都島区御幸町1丁目6−5
インタビュワー:NOWIST株式会社 押味 隆宏