今回は大阪府大阪市都島区で、グループホームとデイサービスを展開している、たのしい家都島(株式会社ケア21)で管理職をされている福田さんにインタビューさせて頂きました。
福田さんご自身の経験を中心に、施設として大切にしていることや、会社全体に感じる魅力も教えてもらっています。
スタートは無資格未経験のパートから
まず始めにですが、福田さんの現在の役職や役割を教えて頂けますか?
福田さん(以下敬称略):僕は今、総合施設長っていう役職をいただいておりまして、グループホームとデイサービスの両方の管理業務などをさせていただいております。それぞれに副ホーム長・副センター長がおりましてその上に私が立って両方管理しているという状態です。
今日は福田さんご自身の成功体験・失敗体験をお伺いできればと思いますが、パッと思い浮かぶお話はございますか?
福田:そうですね、まず自分の歴史的なところからお話させて頂こうと思いますが、僕はいわゆる「叩き上げ」みたいな感じなんですよ。
最初の訪問介護の事業所に「非常勤ヘルパー」という形で入社しまして、その後介護に関する資格を徐々に取りつつ、年数を重ねるごとに職位を上げてもらいました。
ただ、事務処理的な失敗をしたりだとか、ちょっと抽象的な表現ですが「運営をきっちりできていない」という失敗をしたりして、職員も降格したりもしていて、結構いろんな浮き沈みの経験をしてきました。
そうなんですね。現在こちらの会社に入職してどれくらいでしょうか?
福田:一番最初の、非常勤ヘルパーという形で入社してからは、20年近く経ちます。
ということは介護のお仕事は、ずっとこちらの会社でやられているんですか?
福田:はい、そうですそうです。
なるほど、すごく相性があったんですねー。始めは無資格でというお話でしたが、介護の仕事を始めるきっかけはどのようなものでしょうか?
福田:僕は家庭の事情で、おばあちゃんに育ててもらったようなところがあって、よく言うおばあちゃん子なんです。
なので、ご高齢者の方といるのが気が休まるというか、好きというのが、まず1つ根本的にはあるかなと思います。
あとは、育ての親みたいなおばあちゃんの終末期に僕は関わることが出来なかったんですが、実はそこへの後悔っていうのがあったりします。
ですので、おそらくそれを今、仕事を通して(おばあちゃんに)恩返ししてるんじゃないかなって思うようなところはあります。
うわー、とってもステキなお話ですねー。
福田:これ、作り話じゃないですからね(笑)
あとは、当時付き合っていた彼女が今の奥さんなんですが、「福祉の仕事あってるんじゃない?」って後押ししてくれたこととかがあって、この世界に飛び込みましたね。
気がついたら大きな山に登っていた
叩き上げということで様々な「壁」も経験されていると思いますが、印象的なものはありますか?
福田:そうですね、会社の風土として割と年齢の若い方達にも施設のリーダー職をチャレンジさせるというところがあるんです。
僕もめちゃくちゃ若かったわけではないですけど、30代の前半ぐらいに初めて施設長をさせてもらったんです。
自分が一番最初に入った訪問介護の事業所の施設長をさせてもらったんですが、今思えばまだ人としての、なんていうか器というか、いろいろ足りないところがあったんだろうなって思うんですけど、運営がきっちりできてないなくて、その当時の上長の方から「ちょっとまず1回勉強してこい」みたいな感じで降格になって、別の事業所行ったっていうのが1つ目の僕の大きな失敗でしたね。
もし差し支えなければ、運営がうまくできなかったという中身を教えて頂けますか?
福田;そうですね、チームワークを築いていくですとか、自分がリーダーとして引っ張っていくというところがうまくできなかったというところと、あとは売上をしっかりと上げていって安定させるという、両輪の力が足りなかったなと思います。
その失敗をご経験されたからこその学びのというような感覚はお持ちですか?
福田:正直な自分としては、感覚はねあまりないんですよ。
えっ、そうなんですか?!
福田:はい(笑)
でも、その当時からもう10年以上経ってますけど、やっぱり僕もそれなりに経験積ませてもらったので、人としてもそうだし、施設長をさせてもらって成長できてるところもあるとは思うんです。
ただ、それが具体的に何かというとちょっと難しいですが、やっぱり業務上の経験も大事ですけど、人としての経験も重要じゃないかなと思うんです。
僕の場合は仕事上でもプライベートでも、割とゆっくり時間はかかるけれども、ちょっとずつ経験を積み上げて、それが何かしら生かされているとは思っています。
福田:自分の中でやりやすい職員もいれば、ちょっと難しいなとかいろんな人がおりましたけど、そういう方々と関わる中で得てきた対応の仕方みたいなものだったりとか、職員もそうですけど入居者様と直接対峙しますから、利用者さんもいろんな人たちと関わってきてるんです。
いろんな方と関わらせて頂いてきた中で「こういう方にはこういう接し方をすれば穏やかになっていただける」とか、「安らかにに過ごしていただける」とか、そういったところも全てがうまくいくわけじゃないんですけど、苦労して得てきたものっていうのは、自分を支えてくれていると思います。
では、もし仮に今の福田さんが、失敗する前の過去の自分にアドバイスできるとしたら、どんなアドバイスをしますか?
福田:そうですねー、特にしないですね(笑)
え?しないんですか?チャンスですよ?(笑)
福田:はい(笑)
アドバイスしても、多分僕は失敗しちゃうと思うんですよね。
結局、それはもう(失敗を)済ませた方がいいっていう風に思います。痛い思いをして、経験してっていう方が僕には合ってると思います。
では、手応えがあった瞬間とか、成長したかもと感じた瞬間はありましたか?
福田:いや、正直あんまり(笑) 目の前のことを必死にやっているだけなので。
なるほど。目の前のことをしっかりやって、それを積み重ねて、積み重ねて、気がついたら全然違う景色になっていたような感じですか?
福田:そうですね、感覚的にはそういう感じですね!
横のつながりがあって孤独感がないのが良いところ
福田さんは本当に長くケア21で働いているとのことですが、この会社の好きなところ、魅力はどんなところですか?
福田:僕もちょっと長く勤めさせてもらって、もういろんな仲間というのはちょっとおこがましいかもしれませんけど、昔から知ってる方とかいっぱいいるんです。
会社の規模も大きいんで、いっぱい知ってる人いるんですけども、やっぱりみんな何かあったら何かしら助けてくれるっていうイメージがありますね。
僕は、そこがうちの会社のすごく強みになっていると思います。同じような経験をしてきた仲間がたくさんいて、何かあったら助けてもらえるって感じられるのがすごく強みの一つだと思いますね。
施設長さんとかですと、孤独にもなりやすいのかなって思うんですが。。。
福田:そうそう、管理職とか孤独ですよっていうのは全くよくある話だと思うんです。
結局その施設の中に同じ立場でわかってくれる人とか、苦労とかもなかなかその分かち合える人がいなくて、結果孤独を感じると思うんですが、うちの会社では、施設長同士は会社として見たら同じような立場で行動していて、そういう人との繋がりっていうのは、自分と同じような仲間がいるっていう安心感があるっていうのは強みかなと思いますね。
施設長さんとか、管理職とか、そういった懇親会とかも頻繁にあるんですか?
福田:今日もこの後ね、会議が本社であるんですけれども、その後懇親会もあるんですが、だいたい2ヶ月に1回ぐらいは今はあるんじゃないかなと思います。
結構頻度高いんですねー!
福田:あとは、リーダー職以外でもね、新卒で入ったりしたら、新卒同士の何か繋がりとかいろんな繋がりがあると思うんですけど、そういった横の繋がりがあるっていうのは、力と言っていいものかわかんないですけど、僕はいそういうところにすごく安心しますね。
インタビュー概要
インタビュー日:2024年2月
インタビュー先:たのしい家都島(グループホーム/デイサービス)
大阪府大阪市都島区御幸町1丁目6−5
インタビュワー:NOWIST株式会社 押味 隆宏