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ツクイグループが描く人生100年時代の介護

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ツクイグループが描く人生100年時代の介護

目次

  1. ツクイグループにおけるMission・Vision・Value
  2. Vision2025への思い
  3. やっぱりスタッフも幸福にならなきゃいけない
  4. 地域ごとに異なる介護の特色を見出していきたい
  5. 介護の仕事をする意味を大切にしたい
  6. 「売上を上げる=いいサービス」でなければ -経営と現場の一体感-

人生100年時代の到来とともに、高齢者介護のあり方がますます注目を集めるなか、超高齢社会の課題に正面から向き合い続けるツクイグループ。

今回はグループ内で中核を担う株式会社ツクイでゼネラルマネジャーを務めている中野さんにお話をお伺いしました。

企業理念であるMission・Vision・Valueを中心に、各施設ごとに独自に設定している取り組みなどを通して、ツクイグループの底流に流れる思いを語っていただきました。

ツクイグループにおけるMission・Vision・Value

──まず御社のMission・Vision・Valueについてお聞かせください。

中野さん(以下敬称略):この3つはツクイグループ全体の企業理念です。Missionは「企業としてどうありたいか」、Visionは「実現したい未来」、Valueは「大切にしたい価値観」を示しています。

具体的には、

Mission:超高齢社会の課題に向き合い 人生100年幸福に生きる時代を創る

Vision:ながいきリスクを希望に変えて 自分らしく生きられる未来を創造する

Value:わたしたちの誠実な挑戦が、だれかの希望と安心になる。

と掲げています。

超高齢社会の課題に向き合い、人生100年幸福に生きる時代をつくるというのが一番大切だと思っていて、これを従業員全体の合言葉にして行動しています。

Vision2025への思い

──Vision2025という言葉が出ましたが、具体的にどのようなものなのでしょうか?

中野:Vision2025は、いわゆる2025年問題に対応するための我々の指針です。取り巻く環境を見てみると、例えば財務的に国が厳しくなってきているだとか、2040年まで高齢者は増え続けるなど、さまざまな課題があります。その中で、果たして「長生きすることだけ」が幸せなのかというのがまずあります。

サービスをご利用いただいていても、もしそのサービスがつまらなければお客様は人生を謳歌しているとは言えないですし、誰かに決められたサービスを利用するだけで、お客様自身の意思を反映させられないというのも、果たしてどうなんだと思っています。

ですので、人生100年時代であるのであれば、ビジョンにもあるように介護が必要になっても、病気を患ってもその人らしく、「希望」をもって生活出来るようにしたい」と思っています。

やっぱりスタッフも幸福にならなきゃいけない

──Mission・Vision・Valueを現場に落とし込んでいくっていう中で苦労された部分はありますか?

中野:まず、この言葉を見たときに「どういうことなんだろう」と考えて、自分の中でしっかり落とし込んで、自分の言葉で伝えなければいけないなと思ったんです。

なので、最初は「どう伝えようか」と迷ったのが一番大変でした。

特に、この企業理念の「幸福」はお客様だけが幸福になればいいのかといえば、そうではないんですよ。

やっぱりスタッフも幸福にならなきゃいけないというのが、この「幸福」の中に入っているので、そこと合わせて伝えていこうと心がけていました。

──今、「スタッフの方も」というお話がありましたが、具体的にはどういうイメージなのでしょうか?

中野:介護の仕事って、「今日も1日無事に終えてよかったな」となりがちじゃないですか。でもそうではなくて、「この介護の仕事をする意味」を考えていくことで、やりがいや達成感を感じてほしいということですね。

また後ほどお話しますが、各施設で「この施設ならでは」という「施設の売り」を設定しています。これをベースにして「介護スタッフだったらこういうことをやろう」「看護スタッフだったらこういうことをやろう」と考えてもらっています。

地域ごとに異なる介護の特色を見出していきたい

──「施設の売り」の部分について詳しく教えて頂けますか?

中野:はい。お客様など外部の方に「この施設はどういう施設ですか?」と聞かれたとき、一言で答えられるようなコンセプトのことを指しています。

「この施設はここが自慢なんですよ!」というものですね。

──具体的にはどのようなものがありますか?

中野:例えばツクイ・サンシャイン相模原では、「Life Choice~「私らしく生きる」を選ぶ~」、と設定しています。

介護が必要となる前は、さまざまな場面で「選択」を行い、自分らしい人生を歩んでいますが、介護が必要になると「自分らしい人生」=「思い通りの選択」ができず、諦めや人生へのつまらなさを感じてしまう。体の自由だけでなく心の自由まで弱まってしまいます。

ですので、すべてを自由に選んで生活してもらうのは難しい部分もありますが、お客様自身に「選択する場面」や「自分が選んでいると実感できる場面」を設けて、自分らしい時間を過ごしてもらうことをツクイ・サンシャイン相模原ではとても大切にしています。

──すごいですね!これはそれぞれの施設で異なるものが設定されているのでしょうか?

中野:そうですね、他にも例えば大阪のツクイ・サンシャイン大東の施設では、「TripleC(トリプルC)」というのをコンセプトに設定しています。

──それはどのようなものなんですか?

中野:「TripleC(トリプルC)」とは「Choice(チョイス)」「Challenge(チャレンジ)」「Continue(コンティニュー)」の3つのの頭文字から取っています。やっぱり、自分で選ぶ人生、100年を自分らしくが大事なので、お客様が自分で選んで(=choice)、それに対してチャレンジ(=challenge)をする、さらにはそれを継続(=continue)していくというのが「TripleC(トリプルC)」です。スタッフはそれを支えています。

──思ったよりも施設間で違いがあるんですね。これはどのように決めていくんですか?

中野:それぞれの地域の特殊性やニーズに合わせて施設ごとに設定してもらっています。

そして、施設のコンセプトとスタッフ、お客様が三者一体となり施設の「売り」が作られていくんです。

介護の仕事をする意味を大切にしたい

──先程のMission・Vision・ValueやVision2025、そして各施設のコンセプトとしっかりと繋がっている感じがしますが、現場の皆さんへの浸透度はいかがですか?

中野:私は昨年このブロックを担当してから言い続けてきたので、今年は少しブレーキをかけているんですが…そうですね、半分くらいかなと思います(笑)。

──半分もいらっしゃるのは、すごい気もしますが…。

中野:先程もお話しましたが、スタッフには介護の仕事をする意味っていうのを考えていく、その中でやりがいだとか達成感だとかそういったものを感じてほしいと思っています。

「介護の意味」っていうのをちゃんと味わうというか、噛みしめながら働いていけたらなと思っています。業界的には、メディアからすごく大変な仕事だというイメージが先行していますけど、そうじゃないやりがいがありますし、そこを味わっていくにはこういった「企業理念」や「施設ごとのコンセプト」が大切になると思っています。

「売上を上げる=いいサービス」でなければ -経営と現場の一体感-

──介護業界に限った話ではないですが、企業規模が大きくなるに従って、経営と現場が対立することもあります。御社の場合はむしろ経営サイドが企業理念の実現を重視し、スタッフのみなさんが同じ温度感になれるよう力を尽くしている印象を受けます。

中野:それは確かに弊社の特徴かもしれないですね。弊社は、社長も含め、役員のほとんどが、介護現場出身なんです。

──そうなんですね!

中野:はい。社長も訪問入浴の現場出身ですね。

なので、考え方としては「売上を上げる=いいサービス」でなければ意味がないという思いなんです。

──素晴らしい考え方ですね!

中野:ありがとうございます。特に施設では、お客様が「施設に入れられちゃった」と思いがちな部分があるんですが、私たちとしては、ご自身が自宅にいるような感覚で過ごしていただきたいんです。

先ほどお話した二つの施設など、今いろいろ面白い取り組みをしています。その結果、やっぱり入居率も高いんですよね。ですので、経営の数字にもしっかり繋がっているんです。

──たしかに、自分が家族側で考えると、そういう施設だと「施設に入れてしまった」ではなくて、「幸せそうだし、入って良かったなぁ」って感じそうです。

中野:そうですね、ご家族様にもそう思ってもらえるのが本当に嬉しいですね。スタッフも介護の仕事をすることに意味を持てると思うので、そこも良いところです。

──今日は本当にステキなお話をありがとうございました!

中野:こちらこそありがとうございました!

インタビュー日:2024年11月

インタビュー先:ツクイ・サンシャイン相模原

インタビュワー:NOWIST株式会社 押味 隆宏